【桜は、嬉しさも寂しさも連れてくる花】
先日、自分が主催しているサークルのメンバーと一緒にお花見に行ってきました。
目的地は、桜の名所として有名な場所。だから少し早めに到着して、場所取りをしようとしたのですが…すでに多くの方々がレジャーシートを広げていて、驚かされました。
何とか、少し隅のほうにですが場所を確保することができて、無事にメンバーを迎えることができました。
この日、桜は本当に見事に満開でした。天気もよく、まさにお花見日和。
自然がタイミングを合わせてくれたかのように、ぴったりの時期に訪れることができたと思います。
正直、僕は「花より団子」派。
桜より食べ物…そんなタイプだったのですが、ここ数年で少し変わってきました。
桜って、なぜか心に沁みるんですよね。特にこの歳になると、桜が放つあの優しい雰囲気や、儚さが胸に残るようになりました。
昔、福祉の仕事をしていた頃、忙しさに追われて心の余裕がなくなっていた時期がありました。
そんなある日、通勤中にふと見上げた桜の花がとても綺麗で。
「ああ、桜ってこんなに綺麗だったんだな」って思った瞬間、不思議と心がスッと軽くなったのを覚えています。
美しいだけじゃない 寂しさの思い出もある桜
でも同時に、桜には悲しい思い出もあります。
母が末期のがんを患っていた時、医師から「桜が見られればいいですね」と言われました。
それを聞いた瞬間から、僕はずっと「桜を見る=別れが近い」という不安を抱きながら過ごすことになりました。
実際に、母が亡くなったのはその年の春。最後に桜を見せたいという思いは叶わず、母は亡くなりました。
だから僕にとって桜は、楽しい記憶と、寂しい記憶の両方を運んでくる不思議な存在です。
心がちょっと弱っている時には、桜の美しさがじんわりと胸に染みて、涙が出そうになることもあります。
けれど、それでもやっぱり「桜っていいな」って、思うんです。
今回のお花見では、サークルの仲間と笑いながら食べたり話したり、普段の疲れを癒せる時間になりました。
このところちょっとした人間関係のトラブルや、気持ちがうまく整理できないことが続いて、メンタル的に不調気味だったのですが、今回のお花見で久しぶりに「楽しい」と思える時間を過ごすことができました。
日差しの中で舞う桜と、にぎやかな笑い声。
この満開の桜、母も見てくれているだろうか?
これからも、たまにはこうやって自然と触れ合いながら、自分の心に優しい時間を与えていきたいです。

コメント